社交ダンスにはどこの筋肉が必要なのでしょうか。
逆にどこの筋肉を鍛えれば、『ダンス技術向上』に繋がるのでしょうか。

どのダンスでも基本的に言えることですが、ダンスにはある程度の筋力が必要です。
その筋肉がエンジンとなって、より良いダンスパフォーマンスをしていくからです。
今回は『社交ダンス』に必ず必要な筋肉を鍛える筋肉トレーニングを3つ、動画付きで解説していきます。

1
上半身

主に脊柱起立筋を鍛えていきます。

2
上半身【+体幹】

広背筋にフォーカスしつつ、体幹も鍛えていきます。

3
下半身

正しいスクワットの方法をご説明していきます。

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社交ダンス講師
筋トレが『社交ダンス技術向上』に直接繋がるかというと、実は残念ながらそうではありません。
ですが、正しく筋トレをすることは必ず『上手くなる』要因の一つになります。
身体を鍛えることは、だから大事だと言えるのです。

1:社交ダンスに必要な筋肉は?

社交ダンスに必要な筋肉はどこでしょうか?
答えを言えばもちろん全身に必要な筋肉はあるのですが、
背筋、お腹周り、そして下半身の筋肉といった『裏側の筋肉』が特に重要だと言えます。


ここでフォーカスする脊柱起立筋、広背筋、ハムストリングといった筋肉は、ズバリ『裏側の筋肉』です。

実は、社交ダンスには『裏側の筋肉』を使う意識が非常に重要です。
例えばラテンのルンバウォークなら、身体の前(鏡に映る部分)だけを意識するのではなく、
脇や背筋に至るまでの筋肉を使う必要があります。
わかりやすい言葉で言えば、踊りが2Dから3D』になるような感じです。

どの角度から見ても、かっこいい。
エネルギー量が素人ダンサーとは違う。
競技選手との違いは、この物理的に『どこの筋肉が使われているか』にかかっている部分も多くあるでしょう。

『裏側の筋肉』が使えるようになるには
①使っている意識をすること
②使えるだけの筋肉があること
が大事です。
普段意識しづらい筋肉だからこそ、ここから紹介するトレーニングをすることで、その2つを身につけることができるのです。

2:社交ダンスのトレーニング方法(部位別)

①上半身(脊柱起立筋)のトレーニング方法

肩幅より少し広めに足を広げて立ちます。
両手がギリギリ床に付くくらいに膝を曲げましょう。
 膝の曲げ具合をそのままに固定し、両手で両足の甲をタッチしてください。
③起き上がって直立に戻ります。

タッチ→直立→タッチ→直立→タッチ→・・・
を繰り返しましょう。

サンバの曲を使って
『奇数カウント→床をタッチ』『偶数カウント→直立』のようにしていきます。

最低1分は続けられるようにすると良いでしょう!
余裕のある方は左足で右足、右手で左足にタッチする交差バージョンも試してみましょう。

このトレーニングでは、上半身の中でも特に大事な背筋を鍛えていきます。
主に『脊柱起立筋』、そして広背筋にフォーカスしていきます。
『脊柱起立筋』は背骨の両側を覆うようについている筋肉で、背骨を曲げたり伸ばしたりするのに使われてます。
ビジュアル面でも、背中に縦の筋肉が浮かび上がっているようなかっこいい背中を手に入れることができますね。

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社交ダンス講師
実はここで使う筋肉は、『足を引き寄せる』動きにも使われます。
軸足を乗り越えるときに床を引き寄せるような感覚です。
背中や足腰の裏側を使って『足を引き寄せている』から、歳を重ねても後ろ姿が若々しくいられるダンサーが多いと言えます。
膝は固定できていますか?
床に両手がしっかりタッチできていますか?
背中全般、主に脊柱起立筋を意識しながらできていますか?

②上半身【+体幹】(広背筋)のトレーニング方法

ヨガマットや小さな座布団を肘の下に敷きましょう!
②手(肘)の位置が胸の下・アンダーバストのあたりに付くポジションが基本姿勢です
右肘をつける→左肘もつける→右肘をのばす→左肘をのばす

動画のように、右肘をつける→左肘もつける→右肘をのばす→左肘をのばすを繰り返していきます。

競技をやられている方は3分くらいは連続で出来るようにしておきましょう。
慣れていない初心者さんは、まずは1分続けられることを目標に!

注意をしたいのは、腕や肩の力で上がろうとしない。ということです。
疲れてきて、もう無理…となったときに、この筋肉トレーニングを腕の力でやろうとすると、
逆に身体を痛めてしまう原因になりますので気をつけましょう。

このトレーニングは体幹を意識した別の背筋トレーニングです。
ここで使う筋肉は、『広背筋』と呼ばれる筋肉です。
主に腰回りの『広背筋』にフォーカスしていきます。実はこの部分、腰回りのシェイプアップに効くんです。
くびれが出来やすくなるので、最高ですね…
また、この筋肉トレーニングは『体幹』を意識して行うようにすると効果的です。

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社交ダンス講師
ルンバウォークを本気でやると、この広背筋が筋肉痛になったりします。
ラテン種目のウォークやクカラチャなど基本的なムーブメントにおいて、この筋肉は非常に大事になっていきます。
手や肘がアンダーバスト(胸の真下)の位置に付いていますか?
腕や肩の力で上がろうとしていませんか?
『広背筋』を使うことを意識できていますか?

③下半身(ハムストリング)のトレーニング方法

①足を肩幅に開きます。
②サンバの曲に合わせてスクワットをしていきます。

スクワットをしているときに裏側に負荷をかけるために、『膝が足の爪先より前に行かないように』気をつけましょう!!
これは最も注意してほしい部分です。
サンバの曲に合わせて、3分くらいを目安にやってみましょう。
初心者はまずは1分から…!

また、助骨骨盤が離れないように注意をしましょう。
…つまり、お尻を出した状態でやらないようにしましょう。
背骨を長く保つという意識がとても大事です。

重要な下半身トレーニングです。
使うのは、太ももの裏側の筋肉、『ハムストリング』(Hamstrings)と呼ばれる部分です。
なんだそれ…というような名前ですが、
大腿二頭筋・半膜様筋・半腱様筋をまとめて『ハムストリング』と呼びます。
主に股関節運動を補佐する役割を担っています。

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社交ダンス講師
『足にのる』という動作をするときの感覚は、このスクワットで手に入れることができます。
多くの人が『足にのる』ことを物理的に自分の体重を片足にのせることだと思いがちですが、それは違います。
この筋肉トレーニングで身体の裏側を使った『足にのる』という感覚を身につけましょう。
膝がつま先より前に出ていませんか?
お尻が出ていませんか?
骨盤と肋骨を近づける意識ができていますか?

まとめ

よく、『筋肉トレーニングは社交ダンスにおいて必要かどうか?』
…という話が上がります。

確かに、海外のご年配の社交ダンスの先生、もしくは小さい頃から社交ダンスをやっていたジュニア選手は、
筋肉がガッツリ付いているようには見えません。
それでも、凄い動きを生み出していますよね…

注意したいのは筋肉トレーニングは、『社交ダンスが必ず上手くなる方法手段』ではないということです。
『筋肉』は自分が行いたいステップやテクニックを生み出す媒体・そして体力を生み出すエンジンという役割があります。
やりたいことをやりやすくする手段とも言うべきでしょうか。
だからこそ、筋肉トレーニングを行うべきなのです。

筋肉トレーニングを行なった後はしっかりストレッチをしましょう。
また過度なトレーニングの後は免疫が落ちていますので、食事・睡眠管理をしっかりとしていきましょう。