『自分には常識があるから大丈夫。』
…ついついそんな風に考えてしまって、見逃してしまいがちな『社交ダンスのマナーの世界』を、この記事ではご紹介していきます。
社交ダンスはそもそも、男女カップルが一組になって楽しむダンスです。
一人では成立しない。だからこそ、人とのコミュニケーションの重要度は必然と高くなります。
ここでは、社交ダンスを楽しむ上で必ず知っておきたい『マナー』そしていくつかの『ルール』と呼べるものをご紹介していきます。
自分には常識があるから大丈夫…そんな風に考えていませんか?
これから紹介するのは、社交ダンスをやる上で、必ず知っておかなければならない情報ばかり。
3つのシチュエーションに分けて、解説します。
- 練習での社交ダンスのマナー
- 競技会での社交ダンスのマナー
- パーティーでの社交ダンスのマナー
それでは、見ていきましょう!

目次
1: 練習での社交ダンスのマナー
ここでは、普段の練習で気をつけたい『マナー』をご紹介していきます。
①LODとは?【必ず反時計回りで踊る】

皆さんはLODという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
LODとは英語のLine of danceの略称です。そのまま訳せば、『ダンスの方向』といった意味になります。
実は、この知識を知らなければ練習場ではかなりマナー違反になってしまうのです。
Line Of Dance『ダンスの方向』という言葉から想像がつきやすいと思いますが、
つまりは、必ず反時計回りで踊るという社交ダンスの大事なルールです。
社交ダンスは多くのカップルが一度に一つのダンスホールで踊ります。
例えば、その全員が好き勝手な方向で踊り出してしまったら。
衝突が必ず起きてしまいますよね…
その衝突を最大限に減らすために、このLODという『反時計回りで踊る』ルールが定められています。

衝突が起きてしまうと怪我やトラブルの原因になってしまいますので、必ずこれは守りましょう。
特にスタンダード種目では、女性は進行方向を向くことが難しい場合があります。
男性のみなさんがLODを守り、かつ進行方向をしっかりと見て判断することで、全員が気持ちよくダンスを踊ることができるのです。
またどれだけ気をつけていても、ぶつかってしまうことはあります。
その時は、しっかりとぶつかってしまった相手に『ごめんなさい』と伝えるようにしましょう。
自分たちの練習にどれだけ集中していても、必ず他の利用者を思いやった行動を心がけましょう。
②流れている音楽に合わせた種目を優先しよう!

社交ダンス練習場では10種目の音楽が順番に流れます。
例えば、練習したい種目がそのうち2種目しかなかった場合。どのように練習をするのが正しいのでしょうか。
自分が練習したい種目とは別の音楽が流れていたときは、どのように練習をしますか?
多くの練習場では、
『今流れている種目を優先する』というルールがあります。
基本的にフロアは、今流れている種目を練習したい人のために空けてあげます。 そして別種目を練習したい場合は、端のほうで邪魔にならないように練習をしましょう。 |
このルール、意外と守れないダンサーさんが多いのです。
きっと練習に集中しすぎていて、気にすることを忘れてしまうのだと思います。
練習場では多くのダンサーさんが利用しますから、怪我やトラブルを避けるためにも、
この『今流れている曲を練習する人のために、フロアをあける』というルールを守りましょう。
③身だしなみ、エチケットに気をつけよう!

この部分は、日常生活でも守っていきたいマナーです。
社交ダンスはダンスですから、男女の距離感が近い上に、汗もかきます。
身だしなみのエチケットは必ず守っていきましょう。
- 口臭には気をつけましょう。意外と何を食べていたかわかるくらいの距離感です。
- 汗が気になる場合は、着替えを用意しておきましょう。
- 体臭には気をつけましょう。シャワーを浴びておくなどの対策をしましょう。
- 【男性】脇が見えるのはNGなので長袖、または袖口がぴったりしているものを選びましょう。
- 【女性】なるべく髪の毛は縛りましょう。
- 【女性】スタンダード種目では特に、脇や背中が部分が隠れる練習着を着ると良いでしょう。
- 練習中にトイレに行ったら必ず手を洗いましょう。
普段の生活で気にしていることを、改めて気をつけるようにしましょう。
社交ダンスは人との距離感が特に近いダンスです。
敏感に気にする程度で丁度いいと思います。
2: 競技会での社交ダンスのマナー
ここからは競技会で気をつけなければいけないマナーをご紹介します。
競技会中はついつい自分のことだけに集中してしまいがち。
ここで確認していきましょう。
①荷物について

競技会で必ず出てくるのが荷物問題。
衣装、着替え、メイク道具…など持たなければならない荷物が必ず大きくなってしまいます。
必ず荷物は少なめ、もしくはカバンの量が少なく済むように工夫しましょう。
スーツケースを利用するのも良い方法です。
また試合会場では自分の荷物を置いておけるスペースは限りなく少ないです。
更衣室で荷物は広げすぎないなどの、周りを思いやる行動を心がけましょう。
他のダンサーさんの迷惑になる可能性があるので、自分の荷物は一つにまとめられるように努力をしましょう。
そして、スマホやお財布、その他貴重品を入れられる持ち運びに便利な小さなカバンを用意しておくと良いでしょう。

競技会はカオスな空間なので、貴重品を置いたままつい忘れてしまったりすることがよくあります。
貴重品の入れられる小さなカバンがあれば、なくさずに持ち運ぶことができるはずです。
②着替えやトイレ、お化粧直し

競技会では、着替える場所は定められています。
多くの場合、トイレでのメイク直しや着替えは禁止されていることが多いです。
もちろん更衣室はそこまで広い空間ではないことのほうが多いので、
狭い空間での着替えやメイク直しには慣れが必要です。
また、ドレスは一人で着るのが難しいことがあります。
着替えの際は、他のダンサーさんと助け合うことを心がけましょう。
トイレでのお化粧直しが禁止されていない競技会会場でも、トイレの中で長時間鏡の前にいるのはマナー違反です。
自分で手鏡などのコンパクトな鏡を用意しておきましょう。

- メイク直しや髪上げ直しは持参の鏡を使って!
- 着替えはお互いに助け合って!
- トイレの鏡を使わない!長時間居座るのはNG!
3: パーティーでの社交ダンスのマナー
ここからはパーティーでのマナーをご紹介していきます。
『社交ダンス』はダンスを通して人とのコミュニケーションを楽しむものです。
だからこそ、パーティーでは特にエチケットやマナーには気をつけたいところ…
では見ていきましょう。
①エスコート(レディファースト)

日本人が最も日常生活では不慣れだと言える部分、『エスコート』『レディファースト』という文化についてお話します。
社交ダンスにおける『エスコート』の最も大事な部分は、
ダンスのお誘いをするときです。
- 【男性】相手の目を見てお誘いをすること。
- 【男性】笑顔で話しかけること
- 【男性】優しく女性をダンスフロアまで誘導してあげること。
- 【女性】相手の目を見てお誘いを受けること。
- 【女性】笑顔で話すこと
- 【女性】お誘いを受けてダンスフロアに入ったら、しっかりとトーンを張ってダンサーになりましょう。ただ男性に付いていくだけではだめ。
海外、主にヨーロッパでは子供のマナー学習の一部として社交ダンスが楽しまれるという習慣があります。
『エスコート』『レディファースト』の文化は海外生まれの文化ではありますが、必ず社交ダンスを楽しむためには必ず知っておくべきこと。
特にパーティーでは普段の生活とは違う非日常感を味わう場所でもあります。
男性は自信を持って!女性はダンサーになって!
難しいことを考える必要はありません。
笑顔と相手を思いやる行動を心がけていれば、大丈夫。
②荷物は少なめに!
こちらは競技会会場でのマナーと同じになりますが、荷物は少なめにするように心がけましょう。
コインロッカーなどを利用して大きな荷物は預けてしまいましょう。
そして、貴重品は持ち運びしやすい小さめのカバンに入れましょう。
荷物が多いととにかく置く場所に困ってしまいます。
いくら競技会ではないとは言え、それでも着替えなどで荷物は多くなってしまいがち。
だからこそ預けてしまうのが得策です!
大きな荷物を持ち運んでいると、ダンスフロアの邪魔になってしまうので、嫌な顔をされることがあります。
しっかり気をつけましょう。
③パーティーではどんな服を着たらいいの?【男女別】
『ドレスコード』と呼ばれるパーティーで着用する服装をご紹介していきます。
女性のドレスコード

基本的にはセットアップスタイル、またはワンピースのドレスを着用しましょう。
『ちょっとおしゃれな練習着』と言えば少しわかりやすいかと思います。
注意したいのはラテンの練習着のように露出の多いものはやめましょう。
パーティー会場ではマナー違反です。
競技会のようなドレスを着る必要はありません。
柄物や黒やモノトーンではない色のワンピースなどを着ることで、非常に華やかになります。
練習や競技会では付けづらいイヤリングなどのアクセサリーも一緒に楽しんでみても良いですね!
男性のドレスコード

男性の場合も同じで、競技会のように燕尾服や競技用ラテンシャツを着る必要はありません。
シャツにベストがあると、非常にかっこよくなります。
ダンス用パンツがない場合は細身のスラックスでも構いません。
また、半袖のトップスは控えましょう。
④マナーと合わせて知っておくべき『社交ダンス』の知識
『社交ダンス』と『競技ダンス』の違いを知っていますか?
先ほど紹介した『エスコート』『レディファースト』の習慣は、『社交ダンス』の方で重視されている文化です。
この知識を知っておけば、さらに理解が深まるはず。
社交ダンスのパーティーでは特に知っておくべきこと、『リード&フォロー』についてまとめています。
パーティーでは基本的に男性のリードによって振り付けそのものが変わっていきます。
だからこそ、『リード&フォロー』が上手くなれば、パーティーでのダンスが格段と楽しさが増すのです…!!
社交ダンスの知識について、こちらも知っておきたいところ!!
マナーやエチケットという話題からは少し離れてしまいますが、合わせて学んでいきましょう。
まとめ
どんな趣味でも、どんなスポーツでも、
守らなければならない『マナー』や『エチケット』はあると思います。
…でもそれを、「自分には経験があるから」「自分には常識があるから」といった理由でないがしろにすることは、
それらを楽しむ上で、もったいなくもあり悲しいことです。
社交ダンスは人とのコミュニケーションを楽しむダンスですから、
『マナー』や『エチケット』という部分が意外と重要だというのがわかっていただければ、幸いです。
だからといって、難しいことばかりを考える必要はありません。
いくつかのルールはしっかり覚えて、相手を思いやる行動を心がけていれば大丈夫。
最後に、社交ダンスは『一人では成立しないダンス』です。
一緒に踊ってくれるパートナーにはしっかり感謝を伝えるのを忘れないようにしましょう。