社交ダンスラテン種目の一つ、『チャチャチャ』。
『チャチャチャ』とはなんでしょう?
またチャチャらしさとは何でしょう。
チャチャに苦手意識ばかり感じていませんか?
ラテン種目の中でもチャチャは気合で踊る…というダンサーさんは非常に多い。
あまり知識を身につける機会がないからこそ、
今回は特に『チャチャらしさ』を生み出すための知識にフォーカスしながら、
『チャチャ』とはどういうダンスなのかを徹底解説していきます。
ダンスの理解に絶対に必要なチャチャの情報です…
初心者さんも経験者さんも、是非ご一読ください!

『どんなダンスを』『何を表現したいのか』をわかるために、
最低限の知識は身につけておきましょう。
目次
1:【基礎】社交ダンスのチャチャチャの知識
激しく素早い足さばき。
一緒に手を叩いてしまうような、楽しいダンスですよね…!
実はここで見れる『チャチャらしさ』にはMusicality【音楽性】に対する理解が必須。
それでは見ていきましょう。
①チャチャの特徴
この記事で焦点を当てていくチャチャの特徴を、まずは簡単にまとめます。

・キューバ起源のダンスでラテン種目の一つ
・複雑な足の動き、素早いスピン、強いヒップの動き、鋭いアクション、スタッカートが特徴。
・Beat itself is not the “rhythm”… But you need to answer one important question, “what chachacha rhythm is?”
「ビートそのものはリズムではない。だがチャチャを踊るときには『チャチャのリズムとはなにか』という答えを出さなければならない。」
チャチャとは簡単に言えば速い4拍子のカウントで踊る種目。
上の動画を見てもらえれば、チャチャの雰囲気はわかるのではないかと思います。
特に初心者ダンサーのみなさんに伝えたいのは、
チャチャを踊るのはすごく大変だということ…笑
チャチャの音楽に追いつくのに必死。体力をもたせるのに必死。とにかく必死。
でもそれだけでは、観客や審査員に伝えたい『チャチャらしさ』が全く伝わりません。
エネルギー量を割いてる割には、客観的に見るとダサい…なんていうことはよくある話なのです。
『チャチャらしさ』とはどこから生み出されるのでしょう。
その答えの一つと言えるのが
Musicality【音楽性】です。
Beat itself is not the “rhythm”… But you need to answer one important question, “what chachacha rhythm is?”
【ビートそのものはリズムではない。だが、『チャチャのリズムとは何か』という大事な質問に答えを出さなければならない。】
この質問に答えるには、音楽に対する全ての理解が必要です。
記事はここから、チャチャらしさを生み出すための知識を紹介していきます。

②チャチャチャという音楽
まずはチャチャの成立の歴史から…ではなく、
チャチャという音楽がどのようなものなのかについて説明していきます。
キューバ。1950 年初頭。

その頃の流行りは、マンボと呼ばれる音楽でした。
あるヴァイオリニストがオーケストラ用にいくつかマンボの曲を作曲したのですが
その中の一つの楽曲が、オーケストラのメンバーも歌わなければならない箇所がある楽曲でした。
メンバーはとりあえず頑張って歌ってみようと試みたものの、
結局歌唱力の低さを隠しきることはできず、そのヴァイオリニストはある試みを試してみます。
歌が下手でも、歌詞がよりはっきり聞こえるようにするために
そもそもの構造、つまりリズムをシンプルにしてみる。
実は、そのリズムがその当時のダンサーから踊りやすい…!と気に入られ、広くその楽曲で踊られるようになったと言われています。
こうして出来た新しいダンスミュージックのジャンルこそが、
Chachacha『チャチャチャ』なのです。
もちろん、当時マンボで踊っていたダンサーがシンプルに踊るためにも、チャチャという音楽が作られたと言われています。
チャチャチャ音楽はその誕生以来、『ダンスのステップそのもの』と密接な関係を気づいていきます。
そして、実はChachacha『チャチャチャ』という名前は、
3つの連続したビートによってダンサーが床をかすめる音に例えられて名付けられたものなのです。

この後、チャチャチャという新ジャンルの音楽は人気をさらに集め、
アメリカに進出していくわけですが、
その人気を支えたのは、音楽のリズムのシンプルさ。
わかりやすく、踊りやすい。
リズムについてはさらに記事の後半で詳しく紹介していきますが、
チャチャチャという音楽の背景をまず理解することで、
私達が学ぶべきリズムに対する理解も深まるでしょう。
チャチャという種目にとって、音楽とともに成立した背景があるからこそ、
音楽性やリズムの理解がそのまま『チャチャへの理解』に繋がるのです。
③チャチャで表現するべきキャラクター性
チャチャのことをこのような単語で表現することがあります。

“flirtatious”というのは、直訳すれば『いちゃつく』というような意味。
そして”cheeky”というのは、直訳して『生意気・ずうずうしい』というような意味です。
どういうこと…?となると思うのですが、
これはチャチャにおける男女別のキャラクター性のやり取りを知れば、なるほど!と思っていただけるのではないかと思います。
男性はmasculine【男性らしさ】、女性はfeminine【女性らしさ】をダンスを踊る上で表現しているわけですが、
それぞれの【らしさ】をお互いに常に与えたり受け取ったりを繰り返しているのがチャチャである…と言われています。
英語で言うと、『Always giving and taking from the other』
…という風になります。
つまりは、イチャつきを表現したダンスであるということです。
このように表現されることもあります。
Chachacha is like a game of cat-and-mouse.
【チャチャとは、猫とネズミの追いかけっこのようなもの。】
このキャラクター性はルンバとの大きな違い。
男女の少しおどけたようなイチャつきや、軽い追いかけっこのようなものをダンスで表現しているということができるのです。
その当時のキューバの若者のダンス、というような感じですね…笑
2:【応用】社交ダンスのチャチャチャの知識
ここからは、チャチャのダンスアビリティにそのまま繋げられる知識を紹介していきます!
この記事の一番最後の項目で、同じ内容を動画でも解説しています。
特に初心者さんは、何を言っているんだ…?と混乱してしまうかもしれません。
まずは読んでみて、最後に動画を見てみてください。
何となくでもチャチャというダンスのリズム・イメージが付くのではないかと思います。
①チャチャチャのリズム

上の図にもあるように、
1・2・3・4and・1・2・3…という風になっていきます。
スロー・スロー・スロー・クイッククイック・スロー・スロー・スロー…
このリズミカルに繰り返されるカウントが、Chachacha Beat【ビート】になります。
先ほどチャチャの音楽の歴史でも紹介しましたが、ヴァイオリニストが生み出したのはこのビートですね。
実は当時マンボの音楽には、この”and”というカウントは存在せず、それを生み出したことは非常に革命的でした。
これが基本のチャチャのビートです。

それでは、チャチャの音楽のパーカッション部分に注目してみましょう。
Chacha 1 ・Chacha 1・Chacha 1・Chacha 1…
実はこれがチャチャ音楽のSignature、チャチャのカウントです。
チャチャの音楽はこのように、『syncopate』音を分けているのです。
ダンサーが特に重要視するべきなのは
4・and・1に当たる『Chacha 1』のカウント。
ここにアクセントを置くことで、ダンスに緩急が付き、チャチャらしさが表現できるわけです。

3のカウントは長くキープするようなイメージで踊ると
『4and1』のカウントが活きていきます。
2のカウントは比較的『鋭い』カウント。
文字で伝わりづらい部分なので、この記事の最後の動画を見てまずはやってみましょう。

踊る時は『4・and・1』!!!!!!
という風にアクセントを出すように意識しましょう。
このようにカウントに緩急をつけることで
チャチャのハーフビートを表現し、チャチャ音楽本来のリズムも観客に伝えることが出来ます。
②チャチャのリズムを表現しよう!
主にチャチャのMusicality【音楽性】から『チャチャらしさ』を出す知識をご紹介してきましたが、
チャチャのロンデ・シャッセというステップを用いて、
『4・and・1!!!』『Cha・Cha・1!!!』
というアクセント、エネルギーを生み出せるように練習してみましょう。

ボディムーブメントの意識をしたカウントのとり方をするのが大事です。
この記事に書かれていることと動画をよく復習して、
チャチャの基礎・『チャチャらしさ』を身につけましょう!
まとめ
チャチャとは何か。
一つの答えと言えるのは真髄とも言える、チャチャだけのMusicality【音楽性】です。
初心者ダンサーだからこそ、知っておきたい知識でもありますし、
経験者さんも改めて『チャチャらしさ』を生み出す方法として考えるべき内容だったのではないかと思います。
このように種目に対する理解が深まることで、
目指すべきダンスもイメージが湧きやすいのではないでしょうか。
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